[著者:知念実希人/KADOKAWA]
BOOK☆WALKER研修医の主人公・諏訪野良太。彼の『患者個人とその事情に寄り添い過ぎてしまう』『患者の複雑で微妙な感情の変化に気付き過ぎてしまう』特性は、果たして医師として良い方へ働くのか? それとも重い足枷になってしまうのか?
様々な医科を研修医として巡りながら“訳あり”な患者と接する諏訪野を見て、時に入れ込み過ぎな危うさはありながら、おおむね患者にとっても諏訪野自身にとっても良い結果に繋がっているなと思いました。
ただ、各医科の指導医達は口に出さずとも、諏訪野の特異性に対して『期待』と『危うさ』が入り混じったような反応を示しているようにも感じられました。
おそらく気付き過ぎるが故に、諏訪野は今後も訳あり患者と接して行く事になるのでしょう。正式な専門の医師となった事で、患者との関わりを含めて、様々なプレッシャーに精神が押し潰されない事を願うばかりです。