SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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余命半年と宣告されたので、死ぬ気で『光魔法』を覚えて呪いを解こうと思います。 ~呪われ王子のやり治し~

[著者:熊乃げん骨/イラスト:ファルまろ/DREノベルス]

 驚くほどに、登場人物たちが揃ってみんな『いい人』ばかりだったなあと。主人公のカルスが生まれながらに大病の呪いを背負うもので、大抵『主人公が不幸・不運・不遇系』って、周囲がお約束事のように“クズばかり”だったりするんですけどね。

 まあ個人的偏見が入っているのはさておき。この物語はカルスの両親兄弟や関わる存在ほぼ全てが、彼の大病の呪いを心底から気遣い助力になろうと親身に接している。カルスの方も、そんな近しい人達の優しさに応えようと絶望から這い上がろうと奮起する。

 とにかく読んでいて気持ちが良かったですよね。無能クズに対してうっとうしい感情を抱く事なく、強い気持ちで素直にカルスの健気な頑張りを自然と応援したくなっていました。