[著者:桜生懐/イラスト:ファルまろ/富士見ファンタジア文庫]
全ては敬愛するロザリンド様の為に……。死して思い入れの強い物語の中へ転生してしまった主人公ラプター。ご主人様への愛と、超絶な戦闘能力を用いて『悲劇の物語の改変』を目指す。
前巻で“ロザリンド絶望不幸エンド”からは救い出せたので、途中まではラプターの思惑通り、かなり順調に進んでいたんじゃないでしょうか。王国内部で二大派閥の対立はあるものの、そこを崩してラプターが優位に事を運ぶ過程も問題なく、逆に順調過ぎて落とし穴があるんじゃないかと不安になるくらいでした。
その辺りのラプター自身も何となく抱いていた不安要素は後半になって的中。余程の事では動じないラプターも、原作小説の設定から大きく外れた展開には意表を突かれたようで、自分の判断ミスでロザリンドに危害が及ぶ意味で、珍しく焦りが出ていたでしょうかね。
それでも激変する状況にも判断力は失う事なく、終盤での暗殺者真犯人の謎解きと武力による圧倒は見事なものでした。しかしながら、この幕引きの状況はどう捉えればいいんでしょうね……。これで終わりでは到底スッキリ出来ないので、ラプターからちゃんと続きで説明が欲しい所です。
既刊感想:I