[著者:斜線堂有紀/カバーイラスト:くっか/メディアワークス文庫]
やっている事が『自分の手を汚さない遠隔操作的な“自殺教唆”』なので、どう足掻いても絶望エンドへ向かって突っ走るのを回避するのが不可能な展開に、段々と鳥肌が立つのを自覚させられて行くような印象の物語でした。
寄河景から向けられる宮嶺望への愛が、やがて歪んだモノから最初から壊れていたモノへと気付かされながら、受ける愛を抗えないまま景の自殺教唆ゲームをすぐ隣で見続ける事しか出来ない。
もし最後まで破滅を免れない展開になるのなら、どうやったら最後に救いが得られるのだろうか? そんな事をじっと考えながら読み進めていたのかも知れません。