SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ゴールデンスランバー

[著者:伊坂幸太郎/新潮社]

 身に覚えのない『首相暗殺』の濡れ衣を着せられた主人公の決死の逃走劇を描く。

 最初は警察の情報開示やマスコミの過熱報道から得られた、一般大衆側の『真犯人=青柳雅春』像を描いて行く。その後に、見えない巨大権力にはめられた『主人公・青柳雅春』視点による、裏側の真相を彼の壮絶な逃走激と共に追って行く、と言うもの。

 昨今の現実の情勢から、『実際に起こり得るかも知れない』と感じさせるさじ加減があまりに絶妙過ぎて、ちょっと言葉を見失ってしましまいました。それから「現実に起こったとしても、多分こんななんだろうなあ……」と思ったりもしてました。

 結末に関しては色々思う所もありましたが、結局はこういう締め方が似合う物語だったのかな、と最後に納得出来た気がします。