SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

何者

[著者:朝井リョウ/新潮社]

 現実に向けて言うなら、「SNSで自分の感情を暴露する系の“裏アカウント”は絶対作るな」「どうしても作りたいなら知人に絶対バレないようにすべき」です。この物語を読んで得た『最大の教訓』だと思いました。

 物語の内容は、大学生にして就活生として知り合った5人が、互いの就職活動の『成果』を探り合いながら日常生活を送って行く……と言ったものです。終盤までは、ちょっとギスギスした雰囲気をふりまきながらも、内定を目指す『戦友同士としての共闘』みたいな感じでした。

 でも、それまで溜め込まれていた『毒素』とも言うべきモノが一気に爆発します。この時の勢いは本当にもの凄くて、誇張なしで本気で結末までページをめくる手が止まりませんでした。

 主人公の拓人が友人達のTwitterのツイートを常時チェックしてる時点で、少なからず“嫌な予感”みたいなものは抱いてましたが……。その結末を受けての前述の教訓。現実味あふれ過ぎていて震える事間違いなしです。