SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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魔王学院の不適合者13<下> ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~

[著者:秋/イラスト:しずまよしのり/電撃文庫]

 災人イザーク。もう頑なに、“たった一人の待ち人の声”以外に誰の説得も全く聞き入れようとしない人なので、一体どうやってケリをつけるのか、とあれこれ可能性を模索しながら読み進めている感じでした。

 アノスだと力では拮抗出来るけど『説得する』役どころとしては違うかなあ、とかやっぱり聖剣世界の先王の遺言を引き継いだレイかなあ、でも聖剣世界外の存在だから災人に声が届くかどうか……などなど。

 結果的に、色々な人が色々な場所で色々動き、そこから様々な影響を及ぼし合って、災人との“落とし所”にこぎつけたと言った具合でしょうかね。

 今回の件を経て、更なる謎や問題、裏に潜む『諸悪の根源』などが浮かび上がったりしましたが、ひとまず災淵世界と聖剣世界との対立構図は良い方に変化を遂げてくれたようです。

 最後に、災人イザークが旅立つ彼に放った“はなむけの言葉”は、彼らしさが最も表れていてじんわりと心に染み入るとても良いものでした。