SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

リーガルーキーズ! ―半熟法律家の事件簿―

[著者:織守きょうや/新潮社]

 司法試験に合格したらすぐに法律家として活動出来るわけじゃないのかあ、ってのが物知らずには意外な事実として最初に見えた事で。

 法律家として独り立ちする手前の『司法修習生』、つまりは“法律家の卵”達が修習過程で『どの立場を目指して』『心の内に何を思うか』が描かれた物語でした。

 フィクションではあるものの、法律に関わるものや修習生の活動内容や裁判でのやり取りの描写などは、かなり現実に近いものだったように感じました。

 まだハッキリとは方向が定まらず、漠然とした道を歩んでいる最中の修習生達の心情は、それぞれに違う形で様々に深く複雑に描かれていて、とても見応えがありました。

 最終章でそれまでの修習生たちが集い、チームを組んでの模擬裁判やとある問題の解決に臨む姿を見て、ついつい心の中が熱くなるような、そんな盛り上がりで満たされていました。