[著者:賀東招二/イラスト:四季童子/富士見ファンタジア文庫]
まさかここまで一方的に、究極に絶望的な状況に追い込まれるとは思わなかったなあ。読み終えた後でも、かなめやテッサが生きて難局を乗り切ったのが信じられないくらいだったので。「これは夢か?」って感じで、しばらく茫然とふわふわした感覚が抜けませんでした。
今回の場合、ミスリルとトゥアハー・デ・ダナンを駆るテッサ達の見通しが甘く迂闊だったのではなく、『奴』こと生きていたガウルンと裏の何らかの組織が何枚も上手だった、と言う事。降参の意思を示すガウルンを放っておくわけにもいかないし、もちろん捕虜として自軍に抱え込む危険性も承知の上で厳戒態勢を敷いていただろうし。
ただ、絶体絶命の窮地の中でもなお、やはり一発大逆転の展開を期待して信じてみたかったわけで。それに応えてもらえた事に、正直色々ギリギリだったので拍手は出来なかったけど、とりあえずホッと安堵の溜息を洩らす事が出来て良かったです。