SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 神殿の巫女見習いIV

[著者:香月美夜/イラスト:椎名優/TOブックス]

 第二部完結編。『平民青色巫女見習いマイン』改め『上級貴族ローゼンマイン』誕生。神殿長のクズ行為のせいで、マインの養女の話が大幅に繰り上がってしまうと言う急転直下の展開に。

 とりあえず青色神官を騙っていた、うさん臭さ全開だったジルヴェスターさん、あなたよもやの存在だったんですね。もしもの手段をマインに託してた辺り只者じゃない感はありましたけど、それにしてもその“身分と立場”には全然考えが及ばず「ええっ!?」って感じでしたよねえ。

 クソ神殿長にクソ貴族の薄汚い陰謀も、神官長、騎士団長、そしてジル様の裁きによって跡形もなく消え去って、ようやくマインの身の危険もなくなってくれる。

 ただし、その代償として、上級貴族の養女になる為に『家族との縁』を完全に断ち切らなければならない、と言うマインにとて過酷な決断をする事になってしまう。ここは覚悟はしていましたが、やはりその時が訪れてしまうシーンは辛く切ないものでした。

 ここまで急速に事が進んでしまったので、多分マインも感情の整理がまだつかないままだと思う。精神的な負担によって、病弱な身体に悪影響が出なければ良いけれど……。ジル様や神官長など、これから支えてくれるであろう人達が後ろ盾になってくれる事を信じて新章へと進む事にします。