[著者:周藤蓮/イラスト:ニリツ/電撃文庫]★★
まるで出口の見えない迷路を彷徨うような
地に足がしっかり付いてなくて、何もかもが定まらず、感情の整理も付かず、ふわふわと漂っているような、今回のシーモアは終始そんな感じでしたかねえ。仕事を受けてもどこか上の空で身が入らなかったり、自分と似た性質を持つ『死神』と対峙する事で、一層思考の深みにハマってしまったり。答えを見出すまでは結構もどかしさもありました。心にかかった分厚い靄が晴れる時
『死神』にシーモアの主張を行動で示して見せ付ける事で、彼自身の『在り方』を強固に定着させる、みたいな描き方だったかなあと。悩みや迷いで生じていた不安定な思考も大分落ち着いて来たので、少し横に置かれていた感じだったルーミーとの関係も、今後更に深く描かれて行って欲しい所ですね。吸血鬼に天国はない(3)
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周藤 蓮/ニリツ KADOKAWA 2020年05月09日