SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

やりなおし英雄の教育日誌

[著者:涼暮皐/イラスト:桑島黎音/HJ文庫]★★★

やりなおし英雄の教育日誌 (HJ文庫)

やりなおし英雄の教育日誌 (HJ文庫)

 初っ端から延々と続く教師と生徒の不毛なじゃれ
合いを眺めつつ、「話が全然進まねえーーー!」と
唸らされていました。けど、最後まで辿ってみて、
ラストで一瞬だけ、かつての仲間との記憶がアキの
脳裏を駆け抜けた時。このどうしようもなく下らな
くて騒がしいやり取りも、アキにとっては何ものに
も代え難い大切な一幕なのかなと、もう一度最初の
バカ騒ぎを見返しながらそんな風に思いました。
 本来のアキは未来を失っていて、過去に戻って目
的を果たしてしまったらその後どうするのか。途方
もなく先の事になりそうですが、その辺気になる所
ですよね。当面は果たせなかった希望の芽を育てる
べく、生徒達との絆を深めて行って欲しいですね。

魔術破りのリベンジ・マギア 2.偽りの花嫁と神々の偽槍

[著者:子子子子子子子/イラスト:伊吹のつ/HJ文庫]★★

魔術破りのリベンジ・マギア 2.偽りの花嫁と神々の偽槍 (HJ文庫)

魔術破りのリベンジ・マギア 2.偽りの花嫁と神々の偽槍 (HJ文庫)

 魔女学園で学園生活送ると思いきや、フランの為
に仲間同士で欧州へ臨時転入となりました。一所に
居たら魔術の種類が制限されてしまうかも、と考え
ると外に広がって行くのは面白味が増す傾向となる
のでしょうか。多種多様な魔術系統による戦闘が物
語の最大の見せ場だと思うので、陰陽術に対する他
系統の魔術が今後更に色々露出して欲しいですね。
 今回の件で、フランとフランツ姉妹の一族に対す
る立ち振る舞いを目の当たりのして、身内を崩壊さ
せる事だけを考えていた晴栄の心の内に変化が生じ
たかどうか。明確にはされていませんが、何にして
も現状日本からは遠く離れているので、再び直接対
面するまでは今後も心境変化して行きそうです。

既刊感想:

魔術破りのリベンジ・マギア 1.極東術士の学園攻略

[著者:子子子子子子子/イラスト:伊吹のつ/HJ文庫]★★

魔術破りのリベンジ・マギア 1.極東術士の学園攻略 (HJ文庫)

魔術破りのリベンジ・マギア 1.極東術士の学園攻略 (HJ文庫)

 どうも男キャラの影が一切見当たらない、と言う
事は! 女の子同士のいちゃいちゃを思う存分堪能
出来る仕組みなのでは……と思ってたら、アレがソ
レでナニでしたと。まあ何となく違和感があって気
なってましたけど、これはこれで良い具合ですよ。
 日本の陰陽術VS世界に広がる様々な魔術体系、
多種多様な術が繰り広げられる戦いがメインイベン
トでしょうか。別段魔術系列で敵対関係にあるとか
確執があるとか、そんな感じではないので、純粋に
個々の能力がぶつかり合う闘いを楽しめました。
 晴栄の目的は身内の存在を完膚なきまでに潰す事
ですが、異国に滞在しながら果たしてどのように立
ち回り、自らの野望へ近付いて行くのでしょうね。

戦うパン屋と機械じかけの看板娘7

[著者:SOW/イラスト:ザザ/HJ文庫]★★

 やっぱり戦争が残した後遺症は、なかなかルート
を自由にしてくれないです。歴史上から無かった事
にされた『ラプチュリカの虐殺』は、ワイルティア
軍と関係者には明確な弱味であり、闇に葬っておき
たい側と全てを白日の下に晒したい側との潰し合い
は続いている。少なくともこの問題が鎮火しない限
り、いつまでもルートは過去の呪縛から逃れる事が
出来ない。そして、今の所収束する目処は立ってい
ない。何とか苦しみから解放してあげたいですよ。
 今後は軍と平和教とがやり合う事になるんでしょ
うか。まあ何にしても今回、後味悪い結末にならず
胸を撫で下ろしました。とは言え彼女は無事とは言
い難いですし、どう扱われるのか気になりますね。

既刊感想:

戦うパン屋と機械じかけの看板娘6

[著者:SOW/イラスト:ザザ/HJ文庫]★★

 小休止的な短編集。もう幾度も「何の障害も与え
ずただただルートにパンを焼く仕事を存分にさせて
あげて下さい!」と願ってみても、どうしても元軍
人の呪縛が邪魔をする。これまで辿って来た状況を
考えたら、今回ルートがパン職人として、嬉しさや
喜びを隠し切れずに示していたのがとても印象に残
りました。ただ、このエピソードに最後にまた話を
ややこしくしそうな人物が出て来ちゃったので、ル
ートとの関係で色々とこじれそうな感じですよね。
 大規模戦争が残した様々な遺恨は、終結した今で
も至る所で燻り続けていて、結局時間が解決するま
では過去のルートが現在のルートに纏わり続けてし
まう。パン焼くだけの平穏はまだ程遠い感じです。

既刊感想: