SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

魔王は服の着方がわからない

[著者:長岡マキ子/企画協力・監修:MB/イラスト:U35/富士見ファンタジア文庫]★★

魔王は服の着方がわからない (ファンタジア文庫)

魔王は服の着方がわからない (ファンタジア文庫)

 読みながら、登場人物達と一緒にファッションに
ついて色々学んでゆくお話。メインターゲットは魔
王(人間界バージョン)と同世代の高校生なのかな
あ、と想像してましたが、案外世代を問わず誰でも
気軽に実践出来るような内容に興味津々でした。
 まあ瑛美が言っているように、「誰にどう思われ
ても構わないから自分を貫く!」だと響き難いのか
も知れませんが、全体のバランスや着合わせによる
ラインの見せ方などは、実際に意識してやってみた
くなるような要素で「成る程~」となりました。
 一方、恋愛絡みの描写は少々薄味で。正直ヒロイ
ンを瑛美に絞って彼女と仲を深める展開だけで良か
ったかなあ。この辺は今後の盛り上げに期待です。

山本五十子の決断

[著者:如月真弘/イラスト:珈琲猫富士見ファンタジア文庫]★★

山本五十子の決断 (ファンタジア文庫)

山本五十子の決断 (ファンタジア文庫)

 第1回カクヨムWeb小説コンテスト『特別賞』受賞作。

 舞台背景となっている史実についても登場する元
の人物達についても戦艦についても、どれも殆ど知
識は持ち合わせていない為、それでも楽しめるのか
どうか漠然とした不安は最初から抱いていました。
 それでも楽しめたらいいな、という期待感込みで
手に取った部分もあります。実際にはやっぱり知っ
ているか知らないかで没入感に差は出るかなと思い
ました。ただ、知らなくても読み易い様に取っ付き
易い様に、そう言った配慮は充分に感じられる良さ
があり、そこから面白さへ繋がってくれました。
 日本の戦争を実体験しているようで、実際には日
本と異なる異世界。日本の史実通りに進むのか、そ
れとも洋平の影響力が良い方へ変えてくれるのか。

ドラゴン嫁はかまってほしい4

[著者:初美陽一/イラスト:Syroh富士見ファンタジア文庫]★★

ドラゴン嫁はかまってほしい4 (ファンタジア文庫)

ドラゴン嫁はかまってほしい4 (ファンタジア文庫)

 端から勇海に誰か一人に絞り込ませる行為を放棄
させていたので、当然の如くハーレムエンドへまっ
しぐらだったわけですが。嫁候補多過ぎ問題で捌き
切れなくなってしまった感があり、更に勇海の抱え
ていた大事な真相も割とあっさり駆け足気味な描写
で済まされてしまい、ちょっと残念に思いました。
 結局の所「もっと続いてくれたら……」となって
しまうんですけど、多数を抱えながらも亜人娘達の
強過ぎる個性は皆が充分に際立っていて、会話の中
でも誰が誰だか見失う事はありませんでした。それ
程の描き分けの巧さが非常に印象に残りました。
 全員が充分に、とは行かなかった不満は残りまし
たが、ハーレムエンドとしては良い結末でした。

既刊感想:

俺の青春を生け贄に、彼女の前髪をオープン3

[著者:凪木エコ/イラスト:すし*/富士見ファンタジア文庫]★★★

俺の青春を生け贄に、彼女の前髪をオープン3 (ファンタジア文庫)

俺の青春を生け贄に、彼女の前髪をオープン3 (ファンタジア文庫)

 明るい雰囲気のドタバタなラブコメが、色々こん
がらがってちょっとだけ重苦しい空気になってしま
いました。でも、これはしょうがないです。サリュ
も桜も、どちらも恋する少女全開でめちゃくちゃ可
愛いんだもの。片方を選べと言うのも酷ですよ。
 太郎自身が決断したと言うよりは、周囲の皆が後
押ししてくれたような感じでしょうかね。これもま
た本当に選択に苦悩する所で、二人の想いを受けて
の太郎の気持ちも物凄く良く分かるからこそ、なか
なか答えを出せない様子を責められないですよね。
 どちらに感情移入するかで印象は違って来るかも
知れませんが、綺麗にオチも付いて満足のゆく結末
でした。愛着湧いていたので名残惜しいですね。

既刊感想:

魔術学園領域の拳王3 暴虐王覚醒

[著者:下等妙人/イラスト:瑠奈璃亜富士見ファンタジア文庫]★★

 自分が持ち合わせている全てを棄ててまで、何者
にも負けない“戦闘能力”をただただ欲する事に執
着すべきかどうか。柴闇にとって、佐々木青獅の存
在は彼の救いとなるものだったのかも知れません。
 例えば佐々木のように感情に付け入る隙が無く、
本当に力以外を棄て去れる存在が柴闇の相手だった
ならば、白鋼某とかいう少女のような超越者が相手
だったならば、少なくとも柴闇に良い意味での“気
付き”の機会は永遠に訪れなかったと思います。
 まあ、こうなると見越して道無が糸引いてたんで
しょうけど。ここに鈴里も柴闇育成の名目で一枚噛
んでるっぽいし、田中も曰くありげだし、清々しい
表舞台の裏側が相変わらず胡散臭いですね色々と。

既刊感想: