SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

Q.もしかして、異世界を救った英雄さんですか?2 A.それは、ずっと昔の話です。

[著者:弥生志郎/イラスト:フライ/MF文庫J]★★

 前はもっと学園青春ラブコメっぽい雰囲気を醸し
出してませんでしたっけ? 識の「異世界なんかに
もどりたくねえ!」と、フィーナ達の「異世界に来
て手助けして欲しい!」のせめぎ合いも、決着先延
ばしのじゃれ合いのように感じてたんですけど。
 何か今回やけにシリアスで重苦しい展開が割り増
し状態だったので、ちょっと印象に残っていた軽め
な雰囲気とは差が激しくて戸惑ってしまいました。
 識は本当に本心から異世界に戻るのを忌避してい
たんですねえ。壮絶な過去を知った時は結構ショッ
クが大きかったです。そりゃ絶対戻りたくなんかな
いよなあと。最後はこうなりましたが、識が自身で
納得して決めた道なので、これで良かったのかな。

既刊感想:

幸運なバカたちが学園を回す1 ~豪運ザコとカワイイ幼馴染~

[著者:藍藤遊/イラスト:よう太/MF文庫J]★★

幸運なバカたちが学園を回す1 ~豪運ザコとカワイイ幼馴染~ (MF文庫J)

幸運なバカたちが学園を回す1 ~豪運ザコとカワイイ幼馴染~ (MF文庫J)

 運に全てが委ねられる学校経営が破綻無く成り立
っていると言う事は、少なくとも偶然の産物以外の
見えない“何か”が力として働いている事の表れな
のかも知れません。そうでも考えないと、余りに無
茶苦茶過ぎて収拾が付かなくなりそうでしたよ。
 運気について、偶然ではない別の明確な理論を展
開できるのならば、運にまつわる全てを操作する事
も可能なのかなあと。もっとも、総流やレナ達の運
気を眺めていると、結局個人の先天的な資質の差な
んじゃないかなあと、そんな風にも思いました。
 そこが研究次第である程度変えられたら面白そう
ですけど、元々染み付いてしまった個人の運気とい
うやつは、なかなか変わりようも無さそうですね。

魔法塾 生涯777連敗の魔術師だった私がニート講師のおかげで飛躍できました。

[著者:壱日千次/イラスト:リン☆ユウ/MF文庫J]★★

 同著他作品に比べたら、変態度合いは大分控え目
だと思いましたよ。あえて抑えてるようにも見えま
したが、徐々に濃密になって行くのでしょうかね。
 そんなちょっとアレな要素での盛り上がりを期待
しつつの、魔法塾再興の物語。舞台背景と、皇一郎
の現在までの状況経緯と、ベアトリクスをメインヒ
ロインな立場に置いた展開と、テンポ良く描かれて
いましたが、まだまだこれからと言う印象でした。
 芙蓉とつぼみは入塾してから一応皇一郎の指導は
受けましたが、ベアトリクスを助力する役割のみだ
ったので、本領発揮が見られるのはもう少し先にな
りそうですね。あとは七神将の過去の裏切りも根が
深そうで、この辺りの詳細は特に気になってます。

バブみネーター

[著者:壱日千次/イラスト:かとろく/MF文庫J]★★

バブみネーター (MF文庫J)

バブみネーター (MF文庫J)

 どいつもこいつも頭おかしい。決して遠回しな褒
め言葉じゃないです。でも、この人達「これが当た
り前でしょう」みたいな、そんな振る舞いを見せ付
けて来るんですよ。そうすると、「あれ? もしか
して頭おかしい様に見えてるこっちがおかしいのか
な?」ってなったりして、混乱極まりました。決し
て世に放ってはならない“何か”が放たれてしまっ
たかのような、それを目撃したような気分でした。
 とりわけ危険なヤバさを感じたのはダントツでラ
ラァでした。何せ完全にそうだと思い込まされ引っ
掛けられましたから。一徹のバブみオギャりを超越
してましたよ。綾音と雛の甘やかしと一徹の性癖に
関しては、恐ろしい事に割と慣れてしまいました。

デュシア・クロニクル 十二騎士団の反逆軍師

[著者:大黒尚人/イラスト:ゆらん/富士見ファンタジア文庫]★★★

 西方大陸東部のエルザイム王国が帝国の脅威を凌
ぐ為に取る術は、講和の道か、それとも徹底抗戦の
道か。犠牲の血を流させない為には講和を選択すべ
きなのでしょうけど。それが誤った道という事を最
も身をもって示してくれたのは……大体分かっては
いましたが、終章での一幕には戦慄が走りました。
 ローゼリア自らが高らかに宣誓して群集人心を大
いに惹き付けたとは言え、まだまだ劣勢には違いな
くて、北部方面がこうなってしまった以上、再び国
内での衝突は避けられないでしょう。帝国へ打って
出る以前に国内平定の道程でさえ険しい中、戦士と
軍師の二つの顔を持つシオンが、どのようにしてそ
の手腕を振るい道を切り開いて行くか見物ですね。