SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?2

[著者:三河ごーすと/イラスト:ねこめたる/MF文庫J]★★★

 紅蓮が欲した“日常”なんて、やっぱり何処にも
ありませんでした。半ば冗談交じりのような、ごく
ごく軽い気持ちで、普段から「日常を俺にくれ!」
と欲求連呼している風に見えていたんですけどね。
 過去に賭博関連で闇や傷跡を負っているのは何と
なく察せられましたが、ここまでハードモードな展
開とはちと予想外でした。実質メインの勝負に挑ん
だのは可憐でしたけど、だからこそ紅蓮の視点で追
った場合、計り知れない遣り切れなさが圧し掛かっ
て来るような、そんな苦痛と衝撃を受けました。
 「ああ、紅蓮は心底平凡な日常を望んでいたんだ
な」と。即座に生徒会との戦いに突入する模様で、
切望する日常を手にする結末であって欲しいです。

既刊感想:

自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?

[著者:三河ごーすと/イラスト:ねこめたる/MF文庫J]★★

 紅蓮が切望する日常とやらを送るのは、この学園
に居る限り無理であり不可能でしょう。学園長の差
し金だかは分かりませんが、この学園がこうだから
紅蓮が送り込まれたと考えるのが自然ですよね。
 誰のどんな思惑が絡んでいるのかは皆目見当も付
きませんけど、どうやら紅蓮に平穏無事な日常を送
らせる気は無いようで。そして、そもそも紅蓮の中
に流れるギャンブル依存の血が決してそうはさせて
くれない。見過ごそうと目を逸らしても、賭け事の
方が彼を見過ごさないんだから厄介極まりない。
 それでも衝動に抗って日常を諦めないか、過去と
同じく賭博師の本性に飲まれるか、或いは本性を捻
じ伏せ従えて正常を保ったまま進めるのかどうか。

ようこそ実力至上主義の教室へ7

[著者:衣笠彰梧/イラスト:トモセシュンサクMF文庫J]★★★

 憎き敵対者のアイツを完膚なきまでに叩き潰して
スッキリ爽快……とは全くこれぽっちもならない所
が、この物語特有の嫌らしさと言うか何と言うか。
 一方的に龍園の方から、己の欲求を満たす為だけ
に吹っ掛けて来たような奇妙な構図でしたが、終わ
ってみれば結局清隆の掌の上だったわけですよ。
 しかも、龍園が『X』を炙り出そうと動きだす遥
か以前から、今回の着地点を容易く想定して見せて
くれた辺りで、やっぱり毎度の如く呟かずに居られ
なかった「最も得体の知れないのはこいつか」と。
 チラッと龍園や茶柱先生から、単純にクラスの上
下を競うのとは全く別の所に真の学園攻略の鍵が存
在する、と漏れていた様な。特に気になる所です。

既刊感想:4.5

ようこそ実力至上主義の教室へ6

[著者:衣笠彰梧/イラスト:トモセシュンサクMF文庫J]★★★

 まだ一年生時の段階で既にこんな神経擦り切れそ
うな事やってたら、いずれ精神崩壊しちゃうんじゃ
ないだろうか? ……って凡人目線だとそう感じち
ゃうんですが。そもそも最初から裏側で戦っている
連中は、常人の域を逸脱したまともじゃない連中ば
かりなので、そこら辺はダントツで胡散臭い主人公
こと清隆含めて心配する事ではないのでしょうね。
 ここから本格的に対Cクラス対龍園翔へと一気に
突入した感のある展開で、相変わらず色々伏せられ
ている要素はあるようですが、そろそろ次辺りで完
全決着の予感もあり期待感も高まって来ています。
 でも龍園が屈する絵が全く一切浮かばないんです
けど、清隆はどう対処するつもりなんでしょう。

既刊感想:4.5

世界最強の人見知りと魔物が消えそうな黄昏迷宮2.冒険者のお仕事も色々です

[著者:葉村哲/イラスト:鳴瀬ひろふみMF文庫J]★

 なんか人工迷宮計画とか、ダンジョンの魔物や資
源枯渇とか、それによって近い将来引き起こされる
経済危機とか、割とどうでも良くなってません?
 いや、そもそも一体どうやって連れ帰って誰が何
処で飼育管理してるんだろう、って当然の疑問が頭
に浮かぶわけで。その辺に触れられてなくて、当初
の目的がすっかり蔑ろにされているような感じで。
 ダンジョン探索で各階層の名物魔物と変人冒険者
達とが愉快に戯れているだけのような……それはそ
れで面白いので良いのですが、この物語で見たいの
はそれじゃないんだよなあ、と言った具合です。
 このままひたすら階層下りて同じ様な展開を繰り
返すだけなら、盛り上がりは期待できないかも。

既刊感想: