SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

忘却のアイズオルガン2

[著者:宮野美嘉/イラスト:薫る石/ガガガ文庫]★★

忘却のアイズオルガン 2 (ガガガ文庫)

忘却のアイズオルガン 2 (ガガガ文庫)

 誰が毒を撒き散らしたか、の犯人探しでちょっと
盛り上がりを見せて、でもダヤンとアリアにとって
はそれ程重要イベントでも無かったような。結局本
命のオスカーの実体は捉えられませんでしたし。
 この寄り道で次へ繋がる手掛かりを幾つか得られ
たのは確かで、それでも通過点でしかない印象だっ
たのは、ダヤンの“アリアを生き返らせる”目的に
殆ど進展が見られなかったからかも知れません。
 ダヤンは悪魔との契約の縛りで、本当の目的をア
リアには決して言えず、アリアは生前の記憶を喪っ
ているせいで、根底には殺意衝動しか持たされてい
ない。この返し難い現状をどう打開するか……姿無
きオスカーの招きが変化をもたらすのでしょうか。

既刊感想:

パンツあたためますか?2

[著者:石山雄規/イラスト:bun150/角川スニーカー文庫]★★

パンツあたためますか?2 (角川スニーカー文庫)

パンツあたためますか?2 (角川スニーカー文庫)

 ガチのストーカー犯罪者現る。真央のような好意
を思い込ませるような甘さは無くて、狂気を多分に
孕んだ自己満足のお節介と言う奴で。これ、軽いノ
リで女ストーカーっぽい雰囲気醸し出してくれてい
たらどんなに気楽だった事か。大分重苦しく澱んだ
空気を撒き散らしていたので、そう言った意味では
理沙の存在感は物語に酷く合致していたんでしょう
けど、得体の知れない恐怖感が募るばかりでした。
 直樹の女難が冗談で済まないレベルに達した時点
で、正直ギブアップ寸前でした。ただ、真央との件
だけは見届けたかったので。まあ思いっきり未練た
らたら曝している時点で、たとえ横槍入れられたと
しても依存関係っぽい部分は変わらないのかなと。

既刊感想:

パンツあたためますか?

[著者:石山雄規/イラスト:bun150/角川スニーカー文庫]★★

パンツあたためますか? (角川スニーカー文庫)

パンツあたためますか? (角川スニーカー文庫)

 第22回[春]スニーカー大賞『優秀賞』受賞作。

 あ~最後はこうなってしまったのかぁ。そもそも
ストーカー被害者と加害者の異常で歪んだ関係性か
ら発展したものなので、直樹と真央の間のそれが恋
愛感情と呼べるものだったのかどうかと考えると、
やっぱりちょっと違っていたのかも知れません。
 奇妙な関係も微笑ましく見ていられる内は問題な
かったものの、徐々に依存し合う関係が明るみに出
てくると、何かこう笑える雰囲気じゃ無くなって来
たり、どんどん異質な部分が際立って見えてしまっ
たり。一旦は最後こうなるより勢いのままの依存関
係で良かったんじゃないかと思いましたけど。でも、
恋愛感情で本当に相手を想っているのか疑問を抱え
ていては、結局はうまくいかなかったのかなぁ。

僕と君だけに聖夜は来ない

[著者:藤宮カズキ/イラスト:ファルまろ/角川スニーカー文庫]★

僕と君だけに聖夜は来ない (角川スニーカー文庫)

僕と君だけに聖夜は来ない (角川スニーカー文庫)

 この二人延々といちゃいちゃいちゃいちゃしやが
って一体何時までこの激甘ラブコメ見せ付け続ける
気なんだよ……って思ってた序盤の頃に戻りたい。
 何も知らないあの頃が一番平穏でした。目一杯上
げてから一気に突き落とす手法だったのかも知れま
せんが。何と言うか、全てはこの終わり方をどう感
じるか、だと思うんですよね。“彼女”が最後に理
一に告げた言葉に確信が持てればまだ良かったので
すが、これだと「本当に信じていいものだろうか」
と言うもやもやした気持ちが残ってしまいまして。
 ループの突破方法にしても、これしかなかったと
割り切るには、それまでの精神負担を含め理一の犠
牲ばかりが大き過ぎて、ちょっとキツかったです。

もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい

[著者:永菜葉一/イラスト:るろお/角川スニーカー文庫]★★

 無能力の落ちこぼれとか言ってもさあ、はいはい
どーせその内異世界転移者が潜在能力覚醒でチート
無双になるんでしょう? ……とか思ってたら一向
に能力覚醒イベントが訪れなくて、ちょっと所でな
くユウヤが不憫になってしまいました。その上中二
病のお姫様に付き合って中二病の競演とか、あまり
の痛々しさに目を背けつつ「お願いだから何とかユ
ウヤを覚醒させてあげて!」ってなりましたよね。
 手段を問わずな強引さに目を瞑れば、あながち騎
士リーベルトのやり方も否定は出来なくて、無茶の
極みのユウヤが対案持ち出せなかったらどうすんだ
よと、結構焦りつつ辿っていました。結局は一時凌
ぎの策なので、続きがあれば追ってみたいですね。