SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ウザ絡みギャルの居候が俺の部屋から出ていかない。

[著者:真代屋秀晃/イラスト:咲良ゆき/電撃文庫]

いとこ同士の信頼関係
 春太が真波にウザ絡みしているのは。素を出せて、信頼されて、心を許せている証。真波が春太にだけは遠慮なく絡んで行けるのが、その事を一番明確に示している。

 春太も真波も、互いに相手が何か嫌な目に合っていたり、心が傷ついていたら、何を置いても真っ先に助けてあげたい。特に春太の終盤の思い切った行動に、その気持ちの強さを見ました。家族みたいに凄く分かり合えている、実に良い関係ですよね。

統京作戦 Mission://Rip_Van_Winkle

[著者:渋谷瑞也/イラスト:PAN:D/電撃文庫]

後悔の時間を取り戻したい人達の戦い
 500年後から来た主人公と、500年前から来た少女が出逢い、互いの世界で救い切れなかった人や時間を『現在』で取り戻す為、『やり直しの繰り返し』を試みる。ざっくりとそんな手応えと印象。

 本当は、もっとずっと物凄く複雑な設定と展開。雰囲気作りの為に『あえて』なのかも知れませんが、ちょっと色々凝り過ぎて難解になってしまった感じ。正直一度では把握し切れず、とは言え繰り返すのも躊躇われる。過去・未来の絡みはまだ終わらないと思うので、噛み砕いて見せて欲しいなと思う。

ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい

[著者:葉月文/イラスト:DSマイル/電撃文庫]

書きたいものと売れ筋ジャンルとの間で
 ホヅミの中に『現役ラノベ作家のリアル』を垣間見た、ような気がした。勿論全部が事実ではなく、ただ全部がフィクションとも言い切れない。執筆活動、生みの苦悩、売り上げ、編集者との付き合い、同期受賞作家、『書きたいもの』と『売れ筋』の差異……などなど。生々しさは結構肌で感じました。

 完全に『創作』と言い切れるのは、茉莉のホヅミへの献身的なお世話くらいでしょうか。彼女がホヅミと彼の作品の『ファン』である事は、現実でも「こうあって欲しい」と思わされるものでしたね。

ねえ、もっかい寝よ?2

[著者:田中環状線/イラスト:けんたうろす/電撃文庫]

過去の記憶の謎
 段々、早く根本的な原因を見つけ出して『不眠症』を解消しないとヤバい、と追い詰められるような雰囲気になりつつある。特に今回みたく、『忍と静乃が容易に添い寝出来ない状況』を見せられると、楽観視していられないなと思わされてしまう。

 『添い寝』をぶっちゃけられたら楽なんですけどね。それで理解を得られない人の方が大多数だろうから、最終手段としても容易には踏み切れない。

 やっぱり、未だにハッキリしない『忍と静乃の過去の記憶の食い違い』が鍵なのかなあ。相当謎を引っ張ってくれるので、何か不眠症に関連した重要な事が潜んでいるのは間違いないと思うのだけど。

既刊感想:

ドラキュラやきん!2

[著者:和ヶ原聡司/イラスト:有坂あこ/電撃文庫]

吸血鬼に女難の相
 新ヒロイン・梁詩澪に対するファントム疑惑、黒か白か問題。とりあえず香水の匂いがあからさまだし、真っ白なわけはないんですが。とは言え極端な方向にも偏ってはおらず、吸血鬼とはまた別種の複雑な事情を抱えた『外来種』って感じでしたかね。

 前巻から引き続き、由良が追う『親』である愛花の件は、今回で一旦終幕。由良の状況は何も変わってないし、新たにアイリスと愛花との因縁も浮上したので、いずれ再会と再戦もあるでしょう。

 この幕切れの雰囲気だと、次辺りは詩澪がもっとグイグイ迫って来そうな予感。で、アイリスがやきもき、由良が板挟みで精神的苦痛。までは見えた。

既刊感想: