SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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マルタ・サギーは探偵ですか?6 オスタスの守護者

[著者:野梨原花南/イラスト:すみ兵/富士見ミステリー文庫]★★

 オスタスに戻って来たマルタが変わった! これが七年の人生経験ってやつかー。基本的な性格は大して変わっちゃいないんだけど、やっぱり精神面で二十五歳になった『大人』な部分が凄く際立って出ている。

 これまでのマルタって、割とだらだら〜のぐだぐだ〜の気力無しの消極性ばかりが目立ってた気がするんだけど、そういう無気力感が抜けていて、未熟で脆かった部分もすっかり消え失せていた。代わりに得たのは多少の事では動じない心の余裕と精神的強さか。情けなさが見違えるように格好良くなってて妙に嬉しかったなー。

 しかも、照れも恥ずかしさも躊躇いも一切感じさせずに「バーチを愛してる」ってキッパリ言ってのけやがったよこの男。当初は『カードバトル』要素がメインの物語と思ってたんだけど、何かいつの間にかマルタとバーチのラブロマンス風味になってきたよ(いや、こういうの大好きだけどね)。ラストの「今日が来るのをずっとずーっと待ってた……ほんの七年ほど」というマルタの言葉が物凄く重く心に染み入る。次が最終巻だそうで、いい所で終わったこの続き、一体どうなるんかなー?

既刊感想:
     a collection of s.