[著者:十月ユウ/イラスト:天野英/富士見ファンタジア文庫]★★
要のドS行為の数々が唸りを上げて誰彼に構わず降り注ぐ。そんな鬼畜行為を何となく許せてしまえるのは、要はそういう自分の性癖を隠しもせず控えもせず抑えもせずに平然と振り撒いているからか、或いはドSキャラの発揮のしどころがどれも案外間違ってはいないからか(“正しい”にはならない所がミソ)。要の行為の表面だけをなぞると、蒼に対しても朱雀に対しても酷い突き放し方をしている様だけど、その実かなり“覚悟の後押し”をしてくれてるよね。憎めない要因はその辺りにあるのかも。
そんな要のSっ気堪能と、ヘタレ二号こと朱雀覚醒メインの展開。異魔人の深い所までは結局明かされなかったなぁ。戦い激化必至の今後に期待か。
既刊感想:1
十月ユウ 富士見書房 2009年01月