[著者:田中ロミオ/イラスト:山崎透/ガガガ文庫]★★
例えば。妖精さんの道具のせいでクスノキの里がレトロゲームネタ塗れで大変な事態に陥ったとしても、“わたし”が大して動揺も焦りもせず結構ノリノリな雰囲気で対処出来ていた(ように見えた)のは……もしかしたら、陰鬱で荒んだ状況過多な学生時代の経験があったからこそ、なのかも知れない。
そんな二本立て。こうして最初に過去の様子を眺めた後だから、“わたし”に与えた妖精さん達の影響力ってやつが際立って見えたのかなと。今更ながら、“わたし”にとって『調停官』は天職なんだろうな、という事をより理解出来たような気もする。