SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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千の魔剣と盾の乙女(サウザンドとイージス)

[著者:川口士/イラスト:アシオ/一迅社文庫]★★

千の魔剣と盾の乙女 (一迅社文庫)

千の魔剣と盾の乙女 (一迅社文庫)

 かつてこの世界を蹂躙し尽くした『魔王』と呼ば
れる存在は、一人の勇者の手によって封印され、一
時の平穏は訪れるも、大陸の中心地には依然魔王の
力の影響を受ける凶悪な魔物達が蔓延っている。
 主人公のロックは、そんな魔物達を生み出す根源
である魔王を倒す事を目指しているも、その実力か
らは誰にも本気とは取られず無理だと一笑される始
末。そんな彼と、戦いの最中に知能を持ち言葉を喋
る魔剣グラムと出会う所から物語は始まります。
 魔王を倒す事がロックの夢であり目標である。単
純明快だからこそ胸に響きます。仲間であるエリシ
アもフィルも、そこの所はその他大勢と一緒で、余
りに途方もなさ過ぎて現実味がなくて共感持てなか
ったんだと思います。ロックから直接何か言われた
り影響を受けたりしたのではなく、魔剣ホルプの言
動が切っ掛けでロックの本気に気付かされ、少しず
つ共感を覚えてゆく描き方が凄く良いですね。
 最後は三人で旅立ち。ホルプの出自や他に秘めら
れた能力、ロックの“魔剣潰し”に隠れた事情があ
りそうな所、知能を持った魔物達と謎の魔鋼の存在
との関係、など気になる所も多く続きが楽しみです。