SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む

[著者:佐伯庸介/イラスト:花ヶ田/電撃文庫]

未踏破領域に初めて踏み込むワクワク感
 図書館と地下迷宮とダンジョン探索。かつて将来有望な探検家だった主人公・守砂尊。不思議な書から得た能力を駆使して、過去に挫折した自分を乗り越える為、学園地下に広がる書庫迷宮攻略に挑む。

 尊が掲げている目的は『攻略』ではない。図書迷宮内の未踏破領域の『完全探索』と、迷宮で死した人材(ただし地上へ戻れば完全復活する仕様)の『救助』。この見せ方が特に興味深く面白い所。

 人助けに精力を尽くす事と、未開の地を己の手で全て暴きたい欲求。過去の尊の事情をに触れて初めて、その想いが理解出来るようになる。そこから生まれた、終盤での『何が何でも目的を果たす』、と言う力強い信念に心揺さぶられました。