SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来

[著者:南原詠/イラスト:田中寛崇/宝島社]

 『弁理士』って正直あんまり聞いたことなくて、なじみもなくて「どんな資格?」ってなってました。頼れるウィキペディア調べで、なるほど『特許』と深く関わりのある資格・業務なんだな、と言う事を初めて理解しました。

 と、いうわけで『特許』が大きく深く絡んだ物語。『VTuber』の要素も盛り込まれているんですが、そこがメインに置かれていないのって珍しいと言うか、ちょっと新鮮に映りました。実際の本題は、VTuberが扱う『映像機材』に対して『特許侵害』が絡んでゆく、と言うものでした。

 特許と関連して色々と法律に関する部分が描かれるので、ちょっとついて行けるか不安な部分はありました。結果的には、少々思考が必要な複雑に糸がからまる所もありましたが(特に終盤の畳み掛けの部分)、大分わかりやすく理解しやすい描写だったと思います。勝負をかける、終盤の未来の駆け抜けるような攻め具合は爽快の一言でした。

 今回、未来のパートナーである、弁護士の姚愁林とのタッグが見られなかったのがちょっと残念だったかも。続きがあれば、二人の共闘も見てみたいし、他の個性あふれる有能な技術者たちと未来との掛け合いもまた見てみたいですね。