SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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処刑少女の生きる道3 ―鉄砂の檻―

[著者:佐藤真登/イラスト:ニリツ/GA文庫]

 今回の中で、アカリの『人格切り替え』や『回帰遡行』について、結構謎だった事が分かり始めて来ました。

 とは言え、過去に何があって、どれだけの『回帰』を繰り返したのか? それに、そもそもアカリの存在自体が一体何なのか? 彼女に関して、いまだに見えていない部分は多いのですが。

 ただ、モモの独断専行の暴走で、アカリの情報についての停滞感が多少は薄れたかなって印象もありました。モモが、メノウの要望より自分の欲望を優先するとは思ってませんでしたけど。

 それによって、次に事態がどう動くか。モモにとってメノウが一番大事で、彼女の事を最優先にする気持ちは変わっていないと思うので、ラストの部分はあくまでその為の『奇行』だと思いたいですね。

 一方メノウについて。これまで度々匂わせる描写はありましたけど、やっぱりかつての“『白』の勇者”の血が、彼女に深く絡んでいるみたいですね。

 『四大人災』がメノウの中に『白』の存在を捉えたと言う事は、間違いないのかなと。まだ明確にはなっていないので、その事がメノウ自身にどんな影響を及ぼすかは予想も付きませんが。

 あとは次巻について。まず、この状態から果たしてメノウがモモとどう向き合うのか? じわじわと存在感が増し続ける導師『陽炎』、メノウとの再会も近いか? 脱獄した『盟主』の思惑や意図、四大人災『万魔殿』の動向なども気になる所です。

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