SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

天使は炭酸しか飲まない

[著者:丸深まろやか/イラスト:Nagu/電撃文庫]

 好きな人への告白は、しないままで心に後悔を残すくらいなら、たとえ望み薄くて叶わずに砕け散ったとしても、ハッキリと告げる事で思いを全部さらけ出そう。何故なら、自分や想い人が“当たり前のように明日も生きている”と言う絶対の保証はないから。

 「何を大袈裟な……」と、ちょっと小馬鹿にしたような声も、伊緒の過去と引きずり続ける途轍もない後悔を目の前にすれば、きっと途端に引っ込んでしまう。伊緒の『他人の告白の後押し行為』の原点はここにあって、全てを知った時に「なるほどねえ……」と深い溜息が漏れました。

 果たして湊との関りは、伊緒の中で止まった時間を進める切っ掛けになれたのでしょうか? 湊の方は、伊緒と接し続けていた事で良い方向に変わりつつある。湊の『惚れ癖』を払拭するであろう『大恋愛』、相手は伊緒になるとかどうか……この先の行方がどうなるのか楽しみです。