[著者:南野海風/イラスト:Laruha/カドカワBOOKS]
「目が見えないなら魔術で目を作ればいいじゃない」的発想で魔術を極めて行く、若干10歳前後の主人公クノン。重い宿命持ちで、暗くて下向きな性格だったのが、師匠の失言によって逆に吹っ切れて意識覚醒。それまでとは真逆な、明るくて楽観的でおちゃらけが過ぎるお調子もんな性格になってしまいました。
この性格激変には唖然とさせられたもんですが、そのお陰で話の雰囲気自体も明るくなってくれて良かったのかなあと思いました。もし初期タイプのクノンのままだったら、多分目が見えないハンデと消極的な性格で鬱々として展開になってた気がするので。
今回の終盤で、クノン待望の目的は一応達せられたわけですが、肝心の『見え方』がちょっと妙な具合でしたよね。『見えないモノがクノンにだけ見える目』とか、どう言う事なんだろう……? 今の所、その本質は全く見出せていませんが、見えているモノとクノンだけに見える意味もいずれ明らかになるのでしょうか。