SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

レーエンデ国物語

[著者:多崎礼/講談社]

 『レーエンデ国の歴史に深く関わった人達の物語』なのでしょうかね。この終章を振り返ってみて、ひとりの主人公がシリーズを通して描かれ続けるのではない、と気付かされた時点で「これは様々な人物が主人公になり得る物語なのか」と思わされたので。

 今回の主要人物、ユリア、トリスタン、ヘクトルに関しては終章で個々の『生涯の結末』が示されていました。

 数奇な運命に翻弄された人達で、その終着点は決して全てが幸せと言えるものではなかったのかも知れないけれど、彼ら彼女らの行く末を読み手側がしっかり受け取れた事によって、少しは報われたのかなって気持ちになれました。

 この終章で次の展開を示す記述が少しありました。個人的に気になったのは『月光石のお守りを持つ黒髪のウル族』=リリスの行方、『創造神の御子』の存在と影響、この結末後の『レーエンデの状況』など、特に次巻以降で語って欲しい知りたい事。