SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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忘れられ師の英雄譚1 聖勇女パーティーに優しき追放をされた男は、記憶に残らずとも彼女達を救う

[著者:しょぼん/イラスト:∴/HJ文庫]

 『冒険者パーティから追放される系』の中で、“皆から惜しまれながらの望まれない追放”と言うのは珍しいなあって気がしました。まあその分『追放したクズ共の失墜による“ざまあ展開”』みたいなスッキリ気分なのは、残念ながら味わえなかったわけですけど。

 ただ、カズトかパーティを解除された時点で『皆の記憶から存在ごと消えてしまう』要素によって、ざまあ展開の不足は充分補えていたんじゃないかなあと。

 望まずに忘れられた仲間達と、自分だけが覚えている状態で再び行動を共にするって相当きついもので。そう言った『忘れていて欲しい』苦い思いと『覚えているかも知れない』淡い期待から、お人好しかっこつけなカズトの本音のもどかしさが見え隠れしていて、何とも言えない気分になってしまいましたよね。

 今度は救われたロミナ達の番と言うわけで、カズトの行方を求める旅がどうなるのか注目して行きたいです。