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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部 領主の養女IV

[著者:香月美夜/イラスト:椎名優/TOブックス]

 なんか当たり前のように紙製作技術と印刷技術が日々向上を続けていて、気が付けば当たり前に『本製作』が順調に軌道に乗っている事が日常的になっていて、ふと気付いてようやく「あっ!」と驚かされてしまう。

 初期の頃は手掛かりが少なく、試行錯誤の連続で、さらにマイン自身が虚弱でまともに動ける状態じゃなかった。この辺りの様子を思い返すと、「よくここまで来たもんだなあ」と思わず感慨にひたってしまいます。ただ、これでもまだローゼマインにとっては発展途上段階で、このままどこまで極めて行くのか興味深く楽しみな所ですよね。

 領主の養女、上級貴族、神殿長、など何足も草鞋を履きながら日々奮闘しているローゼマインに対して、どうにもキナ臭い不穏な動きが見え始めて来たのが今回の終盤での出来事。

 どうにもジルヴェスターが領主として弱腰なのが頼りなくて、不安を助長させてしまうんですよね。まあ状況を考えると仕方のない事なんですが……どうか醜い嫉妬や復讐心や権力欲がローゼマインを貶めるような事態になりませんように。