SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

29とJK6 ~あなたの隣を歩きたい~

[著者:裕時悠示/イラスト:Yan-YamGA文庫]★★

 一年前の新人研修エピソード。無自覚に冷凍美人
と呼ばれていた渡良瀬の氷を溶かしてしまう槍羽、
さすがヤリちん。現在の渡良瀬は生真面目過ぎてち
ょっと融通が利かなさそうな頑張り屋さんって印象
で、入社当時の他人を寄せ付けないオーラを放って
いる感じは結構意外でした。あと何で槍羽に惹かれ
てるのかなあ、と抱いていた疑問も解けました。
 もう一方、現在の合同プロジェクトの続き。槍羽
は積極的に関わりたくない雰囲気出してましたけど、
今回に関しては渡良瀬のサポートに徹するつもりな
のかな? 花恋の小説の題材選びの時もそうでした
が、槍羽の中で引っ掛かりを覚えている“言葉で上
手く説明出来ない何か”が少々不穏で気になる所。

既刊感想:

29とJK5 ~消えない模様~

[著者:裕時悠示/イラスト:Yan-YamGA文庫]★★★

 クビ宣告からの大逆転劇なるか? 槍羽自身と職
場周辺に吹き荒れるリストラの嵐にどう立ち向かう
のか? もう完全にJKとのお付き合い編から、社
畜対リストラの企業編に移行しちゃってました。
 まあとにかく目先の危機に立ち向かわなければな
らなかったので、花恋との付き合いの描写が縮小傾
向なのは仕方なしか。それでも創作の件や真織との
件、高屋敷社長との間の件など随所で存在感は見せ
ていたので、疎外されてる風ではなかったかな。
 あとは幼馴染みの親友・剣野との決戦。ここまで
ひたすら苦汁を飲まされ徹底的に劣勢に追い込まれ、
余程の逆転劇を見ない事には胃の痛みも治まらない
ぞと。その点で、とりあえずはホッとしました。

既刊感想:

家に帰るとカノジョが必ずナニかしています

[著者:柚本悠斗/イラスト:桜木蓮GA文庫]★★

 俺は“ぼっち”じゃない、あえて自ら“お独りさ
ま”を貫いているんだ……とか言ってる輩は大抵強
がりの正真正銘ぼっちだったりするわけですが。こ
の物語の主人公の颯人は、本当に本来ぼっち気質じ
ゃないのにお独りさま立場に身を置いている、よう
な印象でした。そうした立場に固執するのは、どう
やら中学時代の出来事が原因のようですが、今回は
詳細を語らなかったので、気になっている所です。
 そんなお独りさま状況を崩壊させた、突然のレン
タル家族こと朱莉。こっちも家庭環境の事とか過去
の颯人との関りとか、色々訳がありそうで。これも
また詳細を見せて貰えなかったので、奇妙な変則的
な同居関係にどう影響して行くか楽しみな所です。

三角の距離は限りないゼロ3

[著者:岬鷺宮/イラスト:Hiten/電撃文庫]★★

三角の距離は限りないゼロ3 (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ3 (電撃文庫)

 告白されてきっぱり断ったのにそれでもと食い下
がられる。偽りの自分を演じるのが嫌で素を曝け出
すと決めたのにそれを否定されてしまう。これを矢
野視点で見てたら、少なからず「僕にどうしろって
の」って気持ちになってしまうと思いましたよ。
 春珂や霧香に色々言われて行く内に、矢野自身が
「僕の方に問題があるんじゃないか?」と考えるよ
うになってしまうので、その迷走ぶりに対しても何
かもやもやしたりイラっと来たりでしたね今回は。
 秋玻が春珂に遠慮したり気を使っているのは、以
前から見えていたので、最後のこれは一歩踏み込む
変化が見られて良かったかな。ただ、矢野が更に翻
弄されてしまいそうなのが心配ではありますけど。

既刊感想:

東京×異世界戦争 自衛隊、異界生物を迎撃せよ

[著者:鷲宮だいじん/イラスト:daito/電撃文庫]★★★

 “もしも現実の日本に異世界の生物が現れたら”
の現実味が、実際に本当に今現代日本で起こってい
るかのような感覚で、これは凄いなと唸らされまし
た。巻末に記載された参考文献の膨大さからも、こ
の物語にかける本気の意気込みが感じられました。
 そんな事議論し合ってる場合じゃねえだろう、っ
て言いたくなる所まで、現実でこんな事が起こって
たら「こうなりそうだなあ」って描写が実に的確な
んですよね。異世界から生物が襲って来るなんて、
絶対と断言出来る程にあり得ない事だから、それに
政府が急に対応を迫られたらこうなるだろう、と。
 一旦収束するも、生物の実態は謎のまま。このま
ま解明から完全勝利まで続いて行って欲しいです。