SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

世界は愛を救わない

[著者:海老名龍人/イラスト:ももいろね/講談社ラノベ文庫]★★★

世界は愛を救わない (講談社ラノベ文庫)

世界は愛を救わない (講談社ラノベ文庫)

 最初に『世界征服』って強烈な印象を与える言葉
を残して、行き着く先は果たして何処か? 巧い具
合に興味を引き寄せられたなあって感じでした。
 自分が世界征服を果たせれば全てが思い通りにな
ると信じての行為、しかしながら、例えばもしも吾
郎、美香、貫地が本当に世界征服を成し遂げたとし
て、その感情まで意のままに出来るものなのかどう
か。「自分が」ではなく「相手が」自分の望んだ形
で応えてくれるだろうか? 抱えているものがとて
も歪であるが故に、目指しても叶いそうにない虚し
さとか遣る瀬無い気持ちを抱いてしまいました。
 うっかり破滅したら感情がぐちゃぐちゃになりそ
うだったので、そう言う意味では救われたのかも。

白魔法クラスの大忍術師

[著者:藤木わしろ/イラスト:紅緒/MF文庫J]★★

白魔法クラスの大忍術師 (MF文庫J)

白魔法クラスの大忍術師 (MF文庫J)

 ユウマの印象。一言で『いやらしい奴』。ニンジ
ャは六国から暗躍を恐れられているよりも、陰湿極
まりない策謀の数々で忌み嫌われていたんじゃない
かなあ、とユウマの行動を眺めていて思ったりもし
ました。いやらしさとは、例えば「何故助けてくれ
ない」に「俺には関係ない」と返している事ではな
く、「何故助けてくれない」の発言自体を巧妙に誘
導して引き出した上で、更に誘導すべく返答を出し
ている事。観察眼に優れていると言えば聞こえは良
いけれど、あまりに真実を見抜き過ぎるので「うわ
ぁ……」となる所は少々あったかも知れません。
 かと言って別にユウマに嫌悪感抱いてるわけでも
ないですが。まだ得体の知れない部分はありそう。

わたしの知らない、先輩の100コのこと1

[著者:兎谷あおい/イラスト:ふーみ/MF文庫J]★★

わたしの知らない、先輩の100コのこと1 (MF文庫J)

わたしの知らない、先輩の100コのこと1 (MF文庫J)

 「なにこの子、怖い!」ってなりましたよ。同じ
電車に乗りながら虎視眈々と付け入る隙を窺ってい
て、接触を決めたら後はこちらのプライベート一切
無視した強引過ぎる攻め込み。最初期の慶太が真春
をストーカー呼ばわりで避けたがる気持ち、よく分
かりました。実際めちゃくちゃドン引きで、正直真
春のやり口にかなりの嫌悪感を抱く程だったので。
 ところがそれが最後まで読み切ってしまうと、ま
あ不思議とそうでもなくなっていたんですね。慣れ
って怖いですね。実際の所は慶太も気になっていた
ようだし、真春の接触は強引ながらも嫌ではないか
ら続いているのでしょう。池内君の指摘はちょっと
気になる所ですが、その辺りどうなるでしょうね。

ぼくたちのリメイク Ver.β

[著者:木緒なち/イラスト:えれっとMF文庫J]★★★

ぼくたちのリメイク Ver.β (MF文庫J)

ぼくたちのリメイク Ver.β (MF文庫J)

 10年前に戻る事が無く、現在を継続した場合の
恭也の物語。自堕落ニートまっしぐらか、それに近
いような人生投げ捨て生活送り続けるものと思って
ました正直な所。ところが意外と粘る、しぶとくし
つこく食い下がる。そこまでして諦めかけたクリエ
イターへの道を捨てきれないのは何故か? この別
の『もしも~だったら』のエピソードに触れて、多
少は理解出来たような気になれたかも知れません。
 13部の有能なメンバー達に巡り合い、根気強い
説得で分かり合えて、かつて繋いだ人脈も武器にな
り得ている。しかしながら、河瀬川が幾度も懇願し
ている「決して好きを捨てないで」、恭也はこの会
社に居続けて、それを守り抜く事が出来るのか。

既刊感想:

ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。

[著者:久追遥希/イラスト:konomi(きのこのみ)/MF文庫J]★★★

ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。 (MF文庫J)

ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。 (MF文庫J)

 バレたら即破滅の偽りの7ツ星、今回も相当な綱
渡りの連続。ただ、それは確かに姫路や加賀谷等サ
ポート要員無くしてクリアは不可能でしたが、一方
で緋呂斗の成長無くしても切り抜ける事は出来なか
ったのではないか。まだ真の7ツ星には遠く及ばな
いながらも着実に実力を伸ばしている、特に今回は
危機的状況に追い込まれれば追い込まれる程、そん
な緋呂斗の成長具合が際立って感じられました。
 ゲーム内容に関しても読み応えは充分。むしろ複
雑な駆け引きが要求される『不等辺三角関係』は次
への前座的扱いで早い決着だったのがちょっと勿体
無い位でした。いつか緋呂斗の偽りの足枷が消えた
時に、番外編の真剣勝負として見てみたいかも。

既刊感想: