SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

変態奴隷ちゃんと堅物勇者さんと

[著者:中村ヒロ/イラスト:sune/GA文庫]★★

『エルフ』のイメージ大崩壊
 一方的な押し掛け、極めて自己中心的な好意の押し付け、断り続けても決して身を引こうとしない理不尽さ。“恩をあだで返される”とはこういう事なのか。いくら容姿端麗な美少女エルフだとしても、内面がヤバ過ぎるドM気質でド変態なせいで超絶マイナスに振り切れてしまってる。さすがにこれは勇者エドワードが気の毒だわ。

天性の変態
 ただ、こんな性癖にも、実は何かやむを得ない事情があるんじゃないか……とか思っていた時期もありました。考えが甘かったです。ただの『真性ド変態』でした。こんなのエドワードに矯正出来るんだろうか? 多分無理なんじゃないかなあ。逆に慣らされてしまいそう……。

転生幼女魔王 ~私は魔界よりもクラスを支配したい~

[著者:葉月双/イラスト:黒兎/GA文庫]★★★

魔王さまに並の常識は通用しない
 魔族で『魔王』クラスともなると、人間に転生しても人間とは全く異なる思考回路を持っているんだなあ、ってしみじみ思わされました。いやでも、心の中の本音はこんなにも食い違っていると言うのに、それで一応会話が成立していて、一応クラス内でコミュニケーション取れていて、一応友達付き合い出来ている辺りは凄い事なのか? 

近しい人を虜にするロリの魔力=魔王さまのカリスマ……?
 転生魔王のリーナちゃん、人間とは思考回路があまりにもかけ離れている。本来なら意思疎通が不可能で分かり合えなさそうなのに、何故か相手が勝手に勘違いして次々『篭絡』させられてしまう。リーナの思惑とは違う形で思惑通りに事が運んでいる所が面白いですよね。

痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった

[著者:ケンノジ/イラスト:フライ/GA文庫]★★

『偶然』も幼馴染だから『必然』になる?
 最初の『疎遠だった幼馴染の女の子が痴漢されている現場に居合わせた』のが偶然だったとすれば、実は物凄い引き合わせの巡り合わせ。結構さらっと語られていたので、一見して何でもない風な印象で見過ごしてしまってたけれど。これは『幼馴染』って関係性の引力なんだろうか。偶然遭遇するのも“特別な事じゃない”みたいな。

複雑な幼馴染の距離感
 姫奈の方はガチで恋してる、気付いて欲しい届いて欲しい。諒の方は、幼馴染としての好意なのか異性への恋愛感情なのか、彼自身があまり分かっていない。鈍感とまでは行かないけれど、割と無頓着。ただ、僅かながらでも、徐々に意識するようにはなって来ているのかな。

俺の女友達が最高に可愛い。

[著者:あわむら赤光/イラスト:mmu/GA文庫]★★

「異性の友達なんて成立しない」と言わせたい
 どうせ『女友達』から異性への『恋愛感情』に変化して行くんだろう? ……って思わせるように意図的に誘導してみせるような、そんな描き方をしていたような印象でした。カイとジュンのあくまで友達同士な距離感を眺めていると、どうしてもそんな風に考えてしまいます。

『恋人同士』と公認された方が面倒臭くない場合もある
 二人が当人同士の価値観で『友達同士』と認識しているなら、部外者がどう言おうとも価値観の押し付けにしかならず。「友達と思ってるならそれでいいんじゃね?」で静観と言うか。ただ「恋人じゃないならカイを(ジュンを)好きになってもいいよね?」的な口実で、他者の介入を許す事になりそうな関係性なのはちょっと心配かな。

魔王学院の不適合者5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~

[著者:秋/イラスト:しずまよしのり/電撃文庫]★★

記憶に存在しない事象の謎
 転生したアノスの記憶の一部が欠落しているとかなんとか、前に触れられてましたが、『選定裁判』や『地底世界』の事が初耳ってのは、その記憶の欠落と関係してるのかなあ。裏に何者かの意図が見え隠れしているような……それとも別の事情が絡んでいるのか、気になる所です。

勇者学院青春物語
 今回は、エミリアと権威が失墜した勇者学院の生徒達がメインのお話。エミリアが自分を赦し、それを素直に受け入れられるようになるまで。めちゃくちゃ王道な学院青春モノっぽい雰囲気で、胸が熱くなりましたよ。贖罪は必要だったけど、思いが報われて良かったですよね。

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