SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

現実でラブコメできないとだれが決めた?

[著者:初鹿野創/イラスト:椎名くろ/ガガガ文庫]★★★

第14回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作
 耕平のやってる事は紛れもなくキモい。それを更に上回っていたのが、あまりに有能過ぎる点。「そこまでやるか?」と唸らされる徹底ぶり。キモいを飛び越えて『エグい』。ただ、本当に『現実でラブコメを意図的に発生させる』事が可能なのでは……と、妙な期待が沸き上がっていたのも事実で。耕平の挑戦に確かにワクワクさせられていました。

想定外を覆す底力こそが真骨頂
 耕平のデータ収集能力、万全な事前準備による行動達成能力は、本当にキモい程飛び抜けている。でも本当に凄いのは、たとえ苦手とする『想定外の事態』に沈みかけても、目的達成の為に死に物狂いで乗り越えてしまう所。芽衣の『本質』をまだ知らぬ耕平の熱意、果たして彼女に通用するのかどうか。

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

[著者:零真似/イラスト:純粋/ガガガ文庫]★★★

第14回小学館ライトノベル大賞『ガガガ賞』受賞作
 『ヒト』が住む『天獄』と、『死者』が住む『地国』。互いの間に斥力が働き、決して交わる事の無い二つの世界。そして、本来出逢う事の無かった二人。生きる世界が違う、身分も違う、それでも「好きだから」「護りたいから」と。ただその一心で、不器用な想いを必死で伝えようと二つの世界を駆け抜ける、ボーイ・ミーツ・ガールストーリー。

淡泊な中の奥深い世界
 世界観に魅了され、デッドとファイが互いに向け合う想いに強く心惹かれる。全体的な雰囲気は割と淡泊ですが、魅力的な世界観の分かり易さや、ほぼ二人だけの『想いの強さ』の表現などがぐいぐい物語の中へ引き込んでくれる。単純明快な『好き』の気持ちが満ち溢れている、素敵な物語でした。

Sランク冒険者である俺の娘たちは重度のファザコンでした1

[著者:友橋かめつ/イラスト:希望つばめ/オーバーラップ文庫]★★

優しくて超強い、頼りになるお父さん
 確かに3人の娘は重度のファザコンだった。しかも『義理の娘』なもんで、主人公・カイゼルの対応次第でどんな見方になるのかが決定付けられる。正直、父親らしからぬ醜態を晒してたら「ヤバいな」と心配してました。『義理』の部分を意識し過ぎて、娘たちから向けられる過剰な好意を持て余してたらどうしようかと……まあその辺は心配無用でしたけど。事情を話せていない影響もありましたが、カイゼルは100%父親役をやってくれてましたね。

3人娘に秘められた謎?
 父と娘達、全員が各分野の天才肌。安心、平和、平穏、で気軽に楽しく父娘の触れ合いを見ていられる。ただ、エンシェントドラゴンが最期に、3人娘に関して不穏な発言を残してたのが気になりますね。この和やかな雰囲気が壊されなければ良いけれど。

弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで2

[著者:紙木織々/イラスト:日向あずり/オーバーラップ文庫]★★★

これが現実になったら素敵だなと何度も言いたい
 高校生が『学校の部活動』で、ソシャゲの開発・運用やってる時点で「この物語の近未来の先取り感ってすげえな」と思っちゃうわけですよ。複数の上位レベル校で『発表会』が行われている様子を見た感じでは、高校生のソシャゲ開発運用が広く認められているみたいだし。『自分達の商品』を創作する事を高校生時代から実行出来る環境って、やっぱり夢があっていいなと思ってしまいますね。

失敗や挫折を繰り返した先には成功の輝きがある
 チームでの制作は、成功よりもむしろ中途での挫折や失敗の方が多い。そこを何とか乗り越え、チームとして作り上げる事の楽しさや素晴らしさを実感して行く。そう言った部分もまた、少しずつ階段を上るように丁寧に描かれていて良いんですよね。

既刊感想:

トラック受け止め異世界転生ッ! 熱血武闘派高校生ワタルッッ!!2

[著者:しもっち/イラスト:レルシー/オーバーラップ文庫]★★

今回のワタルッッ!!
 今回は国王の依頼でドラゴン退治にッ! しかしこのドラゴンッ! ワタルの拳でさえ一切通用せずッ! 圧倒的防御力ッッ!! するとドラゴンから意外な提案ッ! 世界に散らばる6つのオーブを集めて絶対防御を解除して欲しいとの事ッ! そしてワタルとの闘いを熱望ッ! かくしてッ! ワタルは6つのオーブを集める旅に出るのだったッッ!!

何とか続けッッッッ!!(切望ッッ!!)
 紆余曲折を経てオーブ集めを達成したワタルッ!! いよいよドラゴンと再対決ッ! 追い詰められながらもワタルの真の力が発動ッ! 圧倒的超絶爆熱拳でドラゴンを圧倒ッ! そして遂に勝利の瞬間がッッ!! そして新たなワタルの旅立ちッ! 新たな戦いの幕が上がるッッッッ!!!!!

既刊感想: