SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

僕の軍師は、スカートが短すぎる ~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下

[著者:七条剛/イラスト:パルプピロシ/GA文庫]★★

社畜と軍師
 穂春が史樹に提案する、『原理』『法則』『理論』。話を向けられて、実際に「成る程ね~」と思わされる場面が結構ありました。勿論全部が完璧に人心掌握出来るわけではないですが、穂春が『軍師』と呼ばれるのにも納得でした。そこに合わせての、アイドルとして裏方に徹する事情、表に出られない心理、などの描き方も実に良かったですね。

軍師の教えを実践して自ら危機に立ち向かう
 個人的に凄く印象に残ったのが、終盤で危機的状況に陥った時。『軍師』の知略を間近で見続けていた史樹が、穂春の為に自力で解決しようと行動してみせた辺りの展開。何もかも彼女に頼りっ放しでは終わらず、いざとなれば奮起して恩を返す形で報ようとする姿勢は、なかなか格好良く映りましたよ。

厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由 ~両片思いのやり直し高校生生活~

[著者:徳山銀次郎/イラスト:よむ/GA文庫]★★

過去へ戻っても部下の精神
 いきなり過去にタイムリープした割に、七哉の透花も案外環境適応するの早いなと。この辺りは、ある程度の社会経験を積んだ、20代の精神的余裕の表れなのかも。自然と浮足立たずに冷静になれる心構えが出来ている、と言うのかな。二人共、時折高校生らしからぬ『大人な対応』を見せている。まあそれが最適な対応かはさておき、外見と中身のギャップがちょこちょこ出ている所は面白いですよね。

両想いに気付くまで
 タイムリープの根本的原因は不明。おそらく探っても分からないと思う。なんか、『本当は両想いである』事に気付けたら戻れる、みたいな、そんな展開だったらいいな。互いに『相手はそう思ってない』みたいな思考があるので、大変そうですけどね。

女子高生声優・橋本ゆすらの攻略法

[著者:浅月そら/イラスト:サコ/電撃文庫]★★

芥に声優挑戦を決意させたものは
 もし自分が芥の立場だったら、迷わず逃げるか潔く辞退、かな? 自主的にではなくて、妹が勝手に応募した声優オーディションだし、そもそも声優未経験の素人で、何より芥は自分の『おっさん声質』を好きになれないでいる。審査員が芥の声に魅力を感じ、真剣に合格を出したとは言え、これでよく主役の声を受ける気になれたなあ、と思いました。

その声「いいね」
  積極的に声優の仕事を受けよう、と芥が決めた理由の一番は、嫌いな声を「いいね」と肯定して認めて貰えたから、なのかな。あとはそこから、何か自分を変えたい、と思ったからか。素人初心者が容易く踏み込める領域ではないと思うので、ビビりながらも、その思い切りの良さは凄いなと感じさせられました。

異世界の底辺料理人は絶頂調味料で成り上がる! ~魔王攻略の鍵は人造精霊少女たちとの秘密の交わり!?~

[著者:アサクラネル/イラスト:TAKTO/電撃文庫]★★

一応全年齢版
 エロがメイン。その他は添えもの。食した者をもれなく昇天させる、各種『調味料』を生み出す人造精霊の少女達。その調味料の抽出方法が『性行為で絶頂させる』事なので、エロが必須であり必要不可欠。何故調味料が必要かと言うと、世界の実権を握った魔王を料理で満足させなければ、人間達が滅ぼされてしまうから。底辺料理人ロインには超絶技巧が備わってないので、奥の手に頼らざるを得ない。

料理の腕より性技重視
 と、魔王の脅威を散々聞かされておきながら、最後の展開は「ええー?」でしたけど。魔王の存在って一体……。それだけ人造精霊達の調味料が凄かったと言う事かな。あとはロインが性行為を頑張ってくれたお陰か。あくまで料理の腕は並なのでね。

ねえ、もっかい寝よ?

[著者:田中環状線/イラスト:けんたうろす/電撃文庫]★★

ほんわか
 多分、この物語の雰囲気にピッタリな表現だと思います。幼馴染み同士であり、『不眠症』同士でもある二人が、やむを得ず『添い寝』して不眠症改善を図る。そして、誤解と勘違いで遠ざかっていた互いの気持ちが、徐々に近付いて行く。そんなお話です。なんか、タイトルで思わせぶりな台詞囁いてくれてましたけど、中身は超健全。安心安全で初々しく微笑ましい。あったかい気持ちになれます。

分からなかった事
 忍と静乃の過去の『約束』について、何故互いの記憶に食い違いが生じていたのか? 不眠症になったそもそもの原因、あとは何故二人で添い寝する事で改善が見られたのか? この辺、詳細までは語られてませんでしたよね。ちょっと気になる所です。