[著者:伊藤ヒロ/イラスト:やすも/講談社ラノベ文庫]★★★
その異世界、創作(妄想)か、それとも現実か
シリーズ第2巻。タカシが異世界に生きるシーンが前巻ラストであって、もしかしたら今回は“そちら側の話”になるんじゃないだろうか、と思ったりしていました。実際の所は徹底して“現実世界側の人達の物語”で、タカシの住む異世界はあくまで“創作”として扱われていました。チカ……
中学生の女の子が背負うには、あまりに重くて過酷な現実。前は実母フミエの件だったから目を逸らせなかったけど、今回は面識があっても他人の家族の問題でしたから。他の誰よりも、チカこそどこかで精神崩壊を起こしてしまうのでは……とめちゃくちゃ不安でした。確定された悲報
漂う空気とか雰囲気が、終始重苦しくて息苦しくて本当に辛いです。でもページを捲る指が止まらない。ハルナの訃報が待ち構えているにもかかわらず、色々な事実や真相が知りたくて知りたくて仕方がない。今回もまたそれ程の没入感でした。『死』の先にある『救済』
このラストも創作としての一幕だと思う。ただ、現実世界側からでは決して知る事の出来ない、異世界での現実がそこに存在するのかも知れない。胸が締め付けられるような思いでしたが、そんなあるかどうかも分からない異世界の様子に救われたような気持ちになりました。既刊感想:2006
異世界誕生 2007
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伊藤 ヒロ/やすも 講談社 2019年11月01日