[著者:こうじ/イラスト:鍋島テツヒロ/ダッシュエックス文庫]★★★
〝いい人”過ぎる人
多分、主人公の勇者ノエルが仲間に裏切られて復讐すべく行動する、とかだったら高揚感も増したでしょうけど。そうはならず、関係を一切断って平穏に暮らそうとする。波風立たずに静かで穏やか、元勇者ノエルはそんな様子でした。レバニア王国
ノエルを陥れた張本人である国王とその第一王子の息子。元々最初から破綻していた計略でしたが、人となりを知れば知る程、その愚かさと無能さが露呈すると言うどうしようもない輩。クズさが極まって、もういっそ哀れでしたよ。関係者は放っておいてくれない
ノエルはもう関わりたくない。けれどもレバニアのクズ親子の杜撰な策があっさり敵対国にバレて、その結果ノエルの所在を探し当てられてしまう。真に選ばれた人間が、人を引き付ける魅力を無意識の内に拡散している様にも見えました。続きはWebで?
元勇者が裏切り者の悪事を暴く物語として、この一冊で結末まで綺麗にまとまっていてとても面白かったです。Webでは『領主編』が掲載中との事で、そちらもいずれは続きとして書籍化して欲しいですね。元勇者は静かに暮らしたい
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こうじ/鍋島 テツヒロ 集英社 2019年12月20日