[著者:香月美夜/イラスト:椎名優/TOブックス]★★
本好きにとっての絶望
まず本が一般に出回ってない。高級品。紙が周囲にほとんど見当たらない。貴重品。しかも麗乃の異世界転生体・マインは、病弱虚弱体質な三歳幼女。あまりに無力過ぎて、前世から持ち合わせた知識だけでは、到底太刀打ち出来ないと心底思い知らされる。試行錯誤と創意工夫が希望の芽を生み出す
それでも、こんな絶望的な状況からでも、幼い体と精一杯の知恵を振り絞ってマインは“ただ本が読みたい”一心で現状改善のためにもがき続ける。病弱のハンデがあるのに、時々三歳から六歳程度の幼女とは思えない底知れなさが感じられました。本へと辿り着くまでの道は未だ遥か遠く
とは言え、まだやっと足掛かりが微かに見つかった程度の段階で。それとは別に炎で心の内から燃やし尽くされるような謎の病状も気になるし。ここからマインはどうやって本や紙に近付いて行くのでしょうね。本好きの下剋上 第一部「兵士の娘」(1)
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香月美夜 TOブックス 2015年02月