[著者:遍柳一/イラスト:白味噌/ガガガ文庫]★
母と娘の長き旅路の終着点
テスタの動向をどれだけ追っても、なかなかハルの手掛かりに届かない。拉致された後の安否さえ全く分からないので、かなり焦れまくりでした。そこまで辿り着くのに、我慢の時間が続きましたね。正直な所。ハルと白髪とイノセンスとダスマンとクローンの辺り、難解だなと感じました。間が空いた影響とかもあったのかも。まあテスタ自身も、終盤のハルに起こった件について、「唯一分からなかったこと」と言っていたし。最後に残った『事実』だけを、素直に受け入れておけば良いのかなあ。
途中で色々と思う事はありましたが、何はともあれ、この結末に至れて心底ホッとしました。何せ挫折と絶望の連続でしたから。余韻を残しつつ、読み手にこの先の想像を任せる、素敵なラストでした。
遍 柳一/白味噌 小学館 2020年11月18日