[著者:小林一星/イラスト:左/ガガガ文庫]
誰の為に『謎を解かない』のか
今回は一冊かけての長編エピソード。八年前の学園祭で、令和の姉・飛鳥が起こした(と思われている)事件について。彼女の不名誉な濡れ衣が、今年の学園祭で掘り起こされようとしている。それを阻止すべく、令和は焔螺と『迷宮落とし』に臨む。大分後の方まで『真犯人は誰か?』で引っ張られるので、その辺りで興味をグイッと引き付けてくれる。『謎を解かない』が前提で、如何に謎を解こうとする相手=『探偵役』を出し抜くか。心理的な駆け引きや攻防なども、なかなか見応えありでした。
実は今回の真の謎解きは、令和の妹・弥生の『やよいトリップ』現象に向けられている。この真相は結構意外でしたが、成る程と納得させられましたね。
既刊感想:1
シュレディンガーの猫探し(2)
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小林 一星/左 小学館 2020年12月18日