SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

シュレディンガーの猫探し

[著者:小林一星/イラスト:左/ガガガ文庫]★★

第14回小学館ライトノベル大賞『審査員特別賞』受賞作
 探偵VS魔女。謎解明VS迷宮入り。謎を解く為に動く探偵と、謎を謎のままに『迷宮入り』させようと目論む魔女との対決。これ聞いて、「ええー謎が解かれないなんてスッキリ出来ないよー」とか先入観を抱いてましたけど、実際読んで「あーなるほどねー」と何時の間にか納得させられていました。

謎を解かない必要性
 『解くべきではない謎』を『謎のまま凍結させる』。華麗に謎を解くよりも、あるいはずっと難解な事かも知れない。「そんな事をして何の意味があるのか?」と言う思いでしたが、焔螺の『迷宮落とし』が令和の抱える事情に深く関りを見せた瞬間、一気に重要度が跳ね上がりましたよね。終盤で残された謎は、果たして次でどのように扱われるのか。