[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]
ゲームで例えるなら『義弟キース攻略ルート』。誘拐されたキースを、カタリナ一行が捜索するエピソードでした。離れ離れで互いに思いは募る。が、カタリナとキースのその想いには、違う性質が含まれていて、ズレが生じているのがちと切ない。
もっとも、今回の誘拐騒動を経て、キースのカタリナへの想いが一層高まった模様。極限状態で意識がもうろうとした状態ながら、これまでとは違う“積極性”をカタリナに見せてくれたキース君。読みながら「よくやった!」と拍手を送ってました。
いや~、鈍感なカタリナに気付きを与えてくれる大胆な行為って、実に良いですなあ。ジオルドも負けじと積極的なってるし、その分ニヤニヤシーンも増えてくれるし。普段突飛な行動で散々翻弄されている分、恋愛に関しては逆に初心者なカタリナを翻弄して欲しいですよね。
あと気になった点は、『闇の魔力』について。予想外に影響が拡散してるなあって感じました。ジェフリー王子やラーナが警戒している分には安心出来そうですが。ただ、カタリナが『闇の魔力を宿すペット』を飼っちゃったんですよねえ。
カタリナが闇の魔力の源を撃退したのも、その影響で生まれたペットに懐かれたのも、彼女自身に“何か”があるのかどうか。結局あんまり詳しくは触れられませんでしたが、その辺りも気になりますね。
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(4)
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山口悟(作家) 一迅社 2016年07月20日頃