SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…2

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 「無自覚で鈍感な“人たらし”って、なんて罪な事だろう……」って、カタリナの様子を見ていて、改めてしみじみと思い知らされました。

 ここまで全方位からビシバシ好意感情ぶつけられているのに、一切気付いてないんだもんなあ。乙女ゲーム内のカタリナの『悪役令嬢』の悪役ぶりって、どんだけ酷かったんだよ……と思わされました。

 この固定観念が抜けない限り、近しい人達の気持ちに気付けなければ、彼女自身が恋愛感情すら抱けないかも知れない、という危機感。

 今は破滅を回避するのに頭が一杯ですが、『自分は極悪令嬢』と言う諦めにも似た強固な思い込みは、変わって行って欲しいですよね。

 今回のラストが、“もしゲームだったら”ここでエンディングです。良くも悪くもなく一番無難で一番達成感に乏しい結末。まあ、みんなと友情で結ばれたと捉えれば、決して悪くはないんですけど。

 てなわけで、破滅を無事? 回避したカタリナの無自覚鈍感人たらし人生は続きます。しかし、主要キャラ全員にフラグおっ立てちゃった状態で、この先どんな展開になるんでしょうね。

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