SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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りゅうおうのおしごと!15

[著者:白鳥士郎/イラスト:しらび/GA文庫]

 バラバラにはなっちゃったけど、それぞれが進むべき道で、やるべき事をより意識出来るようになっているのかなあと思いました。対局から離れてる八一の方はさておき、今回はやっぱりあいですよね。

 万智さんの事もあったり、珠代の事もあったり、どちらも充分主役を張れる内容でしたが、最後にはあいが駆け抜けて行くんですよねえ。影響を受けながら、逆にあるいは与えながら、それぞれが違った形で成長を見せて行く。とても良いものでした。

 今回のあいについて。“見えていない部分”が多い未熟な脆さと、内に秘めた計り知れない潜在能力、これらを同時に見せ付けられたような、そんな展開でした。「ちょっと周囲から後れを取ってるなあ」と思って油断してたら、この終盤の極限状態での爆発力ですもん。末恐ろしいとはこの事か、と。

 あとは銀子の行方に関して。とりあえずホッと安心出来ました。復活の兆しを匂わせた描写もありましたが、この状況で再び将棋界に参戦する事が可能なのか。良くも悪くも多大な影響を及ぼしているだけに、まだ不安や心配は尽きないですね。

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