SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ワールド・ティーチャー 異世界式教育エージェント15

[著者:ネコ光一/イラスト:Nardack/オーバーラップ文庫]

 大陸間会合から始まった、サンドール王国での長編エピソードもいよいよ大詰め。サンドール滅亡を掲げるラムダと魔物の大群と、迎え撃つシリウス達との最後の大決戦。大切な人達や、かつての仲間達が集い、力を合わせて強大な敵と立ち向かう。まさに『総力戦』に相応しい見応えのある展開でした。

 まあでも、やっぱりライオル爺ちゃんが頭一つ抜け出て目立ってるんですよねえ。良く言えば絶大な戦力、悪く言えば制御不能の暴走ジジイ。敵味方問わず、突飛な行動で困惑させては存在感の大きさをまき散らしてます。とても厄介な人ですが、眺めていて自然と目が向いて引き付けられる、魅力的な人物だなあ、と改めて思いました。

 あと今回見せ場を作っていたのは、エミリアとレウスの姉弟。シリウスの助力がなくとも、己の力で強敵に打ち勝ってみせる! と言う心の底からの強い信念を感じました。一人の力ではなくて、信頼出来る仲間に背中を預けられるからこそ立ち向かって行ける。そう言う様子が凄く良かったですよね。

 そして最後に残ったのは、シリウスとラムダの一騎打ち。まだ続きます。ラムダは奥に引っ込んでばかりで、あまり本心を語る機会もなかった気がするので、このシリウスとの戦いの中で、最後にもっと感情的な部分も見て見たいですね。

既刊感想:『ワールド・ティーチャー 異世界式教育エージェント』感想一覧