SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

月とライカと吸血姫7 月面着陸編・下

[著者:牧野圭祐/イラスト:かれい/ガガガ文庫]★

 運命の『月面着陸』最終段階。


 ここまで来たら、もう「失敗するなんて絶対にあり得ない!」って思い込みながら読み進めるのみでした。万が一そうなったら、作中の誰にとっても悲劇の結末にしかならないので。

 とは言え、この“最終段階がゆっくりひたひたと近付いて来る”展開は、なかなかくるものがありました。異はキリキリ痛むような気分だし、ハラハラドキドキは治まらないし。

 そんな中で、レフもイリナもバートもカイエも、ミッションに関わる関係者たちも、全員が常に前向きな姿勢で自信を抱いて突き進んでいました。そう言った姿を目の当たりにして、「絶対に大丈夫だ」と安心を取り戻せたように思えました。


 ラストシーンに関しては、もう満足過ぎて何も言う事ないです。何も言葉に出来ないほどに素晴らしかったです。

 ひとつ欲を言うなら、この終わり方を受けて『後日談』も凄く見たくなったな、と。特にレフ、イリナ、バート、カイエの四人の事と、連合国と共和国の先の関係ついて。今は想像に任せて余韻に浸ろうと思います。

既刊感想:星町編