SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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空ノ鐘の響く惑星で2

[著者:渡瀬草一郎/イラスト:岩崎美奈子/電撃文庫]

 前巻で相当騒がれていた『異世界からの来訪者達』の件は一旦横に置かれ、今回は王と第一王子が殺害ざれた後のアルセイフ王国の動向がメインとなっていました。“蚊帳の外”だったフェリオが、徐々に動乱の中心に引き摺り込まれる気配が高まり、派閥があった『王位継承問題』に関して一気に混乱状態に陥ってしまう。この辺り、かなり速い展開なのが印象的でした。

 急速に存在感を出して来た第二王子レージク、彼の思惑はまだ掴み切れない部分も多い。今回の襲撃と要人殺害に全くの無関係とは思えませんが……。フェリオは剣の師匠ウィスタル救出が主目的で動き出しましたが、アルセイフの動乱に巻き込まれて行ってしまいそうな嫌な雰囲気もあるんですよね。そうなった場合、レージクと敵対するのかどうか、また第四王子の立場でどこまで周囲に影響力を与えられるかどうか。先が見通せない緊張した展開が続きそうです。

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