[著者:高野ケイ/イラスト:熊野だいごろう/TOブックス]
外れギフトを持った主人公シオン、上級パーティから一方的に追放される。しかし、その後ギフト能力が超進化で無双状態! と言うわけでもない所がこの物語独自の特性なのかも知れません。
シオン自身がギフトの恩恵を得たお陰て強いかと言えば、決してそんな事はなくて。あくまでこれまでの冒険者経験の積み重ねで強くなったのであって、『翻訳』ギフトの恩恵が切っ掛けや原因ではないんですよね。
魔物との会話によって魔物の心を理解して、周囲の人間達にその魔物が与えるであろう影響力を伝える事が出来る。つまり、自分よりも他者の為に役立てるスキルであり、シオン自身も大体翻訳スキルを他人に役立てるように使用している。
こうしてシオンを見ていると、なかなか本来の実力ってどうなのか把握するのが難しい存在だなあと思わされました。ただ、魔物の意思を伝えるシオンの声が疑念や嫌悪を抱かれず受け入れられている所を見るに、周囲から相当信頼されていますよね。