SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件1

[著者:まるせい/イラスト:チワワ丸/モンスター文庫]

 邪神の生贄に選ばれた幼なじみを救う為、自ら身代わりとなって生贄になるべく転移魔法陣に飛び込み、邪神に命を奪われつつある状況の主人公エルト。

 犠牲になる直前の土壇場で、用途不明だった独自スキル『ストック』の効果が発現。命を落とすはずだったのが、逆に邪神を返り討ちにしちゃった所からが物語の始まり。

 正直、初っ端がクライマックスと言っても過言ではないくらい、もういきなり色々と事が済んじゃってるんですよね。ただ、その変化球的な流れはとても印象に残るもので、なかなか掴みの部分から面白いなあと思わされました。

 あと、エルトが生贄の役割を『押し付けられた』とかではなく、『自ら望んで飛び込んで行った』と言う状況がまた良いんですよねえ。この前提があるから、チート無双で難敵をあっさり撃破でも、元来の人柄の良さと他者を守り抜く精神が好意的に映って応援したくなるんですよね。

 スキルで強さを極めつつあり、更に邪神討伐の事実が世間に大きく広がりつつあって、エルトの影響力も凄まじいものになりつつある。こう言った状況で、物語は一体どの方向へ進んで行くのか、興味深い所ですね。