SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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空ノ鐘の響く惑星で4

[著者:渡瀬草一郎/イラスト:岩崎美奈子/電撃文庫]

 アルセイフの内乱、フェリオ軍とレージク軍との決戦、その決着まで。戦う前からの士気の差で既に結末ははっきりと見えていたような、そんな印象の戦いと幕切れでした。

 レージク自身はアルセイフの破滅を望み、常に投げやりで達観しているように見えていましたが、心のどこかでは「俺は敗北する」と言う気持ちがあったのかも知れません。彼がそう思ったのは、多分侮り続けていたフェリオの『真価』を感じたからなのかな、と言う気もしました。

 今回でアルセイフ内乱は一応の終結を見ました。が、どうも話の雰囲気的に、この大事すら前哨戦に過ぎなかったような、更なる大きな混沌の気配が感じられたりもしました。

 敵国タートム、同盟を組むカシナート司教とウィータ神殿と神殿騎士達の動向と思惑、『来訪者』達の行方と立ち位置、など。不穏な空気は払拭されずに増す一方です。

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