SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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薬屋のひとりごと8

[著者:日向夏/イラスト:しのとうこ/ヒーロー文庫]

 砂欧国との問題がひと段落ついて、緊急の事態に追われずに何となく穏やかに過ごせている風に見えていた今回の猫猫。任氏との関係の問題も、身分関係の事もあって、特に任氏の方からはそんなに急には進められない模様。

 いつものように振り掛かるちょっとした謎を解きつつ、実父羅漢の粘着質な溺愛ぶりにも嫌々見て見ぬ振りをしながら、それでも退屈はせずに過ぎ去って行く日常、みたいな雰囲気でした。

 が、最後の最後に油断している所で爆弾投下が来やがりました。投げたのは任氏です。今回、羅漢との碁の勝負に異様にこだわっていたのも、全てはここに繋がっていたのか、と気付かされました。

 王族でしかも皇弟の身分ではありながら、帝に真っ向から意見を述べたわけですから、この息の詰まる様子に任氏の相当の覚悟を見たように思いました。これを直に見せ付けられた猫猫、特に任氏が彼女に向けて彼女を意識しての行動だったので、どんな心境で受け留めるのか非常に気になる所です。

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